陽光燦爛的日子
 太陽の少年 
IN THE HEAT OF THE SUN

'94年ヴェネチア国際映画祭主演男優賞
'95米"TIME"誌年間ベスト1選出作品

世界中が待ち焦がれた
チャイニーズ・ニューシネマ、遂に登場!

ボーイ・ミーツ・ガール…永遠の輝きを持つこの主題とはずっと縁のなかった中国映画界から、いとおしく、アジテートな少年のラブストーリーが登場した。今まで見たこともばい中国がここにある。セルジオ・レオーネの風格、マーチン・スコセッシのクレバーなテクニックを合わせもち、西洋的にして東洋的な作品の誕生といわれ、今世界中から最も注目を浴びている『太陽の少年』が遂に日本に上陸した。

 舞台は70年代半ばの北京。文化大革命のさなか、大人たちは政治闘争に明け暮れ、青年たちは農村に下放されていた。空っぽになった都会は中学生の悪ガキたちのユートピア。誰にも邪魔されず、授業をサボり、煙草を吹かし、ナンパに励む。我がもの顔で街を駆け抜ける不良少年たち。その一人が、主人公のシャオチュンだ。夏の初めの一日、合い鍵でスリルを求めて入り込んだアパートの一室で、シャオチュンはベッドの上に飾られた一枚の写真に目を奪われる。赤い水着でほほえむ、ちょっと年上の少女。この部屋の住人だろうか。引きつけられうようにアパート通いを続けるシャォチュンはついに本人と出会う。それは、不良仲間の伝説のマドンナ、ミーランだった…。

灼熱の太陽が少年を丸裸にし、
欲望をあらわにする。

『紅いコーリャン』などで主演俳優として国際的にその名を挙げた、チアン・ウェン(姜文)の初監督作品。随所に見られる軽妙洒落な演出はとてもデビュー作とは思えないぽどで、95年初めに中国で公開され大ヒットを記録、米タイム誌の95年映画ベストテンでも堂々第一位に選ばれるなど、名実ともに国際的な高い評価を受けている。若者の絶大な支持を得る作家ワン・シュオ(王朔)の小節「動物凶猛」を原作に、チアン・ウェンが自ら脚本も手掛けた。

 主演のシャオチュンを演じるシア・ユイ(夏雨)は、少年のあふれるエネルギーと繊細さを見事に表現し、デビュー作にして94年のヴェネチア国際映画祭の主演男優賞を受賞した。背伸びしたい年頃の少年の憧れを象徴する、奔放キュートなヒロイン・ミーラン役をポスト・コン・リーと噂されている美少女、人気女優ニン・チン(寧静)が好演している。中国映画界のカメラマンでは第一人者と称され、『さらばわが愛/覇王別姫』で西欧でも絶賛を浴びたクー・タャンウェイ(顧長衛)のカメラがスピード感あふれる、挑戦的かつ極めてスイートな映像をスクリーンいっぱいに映し出している。

『太陽の少年』は僕の青春、
世界観のすべて。

――チアン・ウェン(監督)

監督・脚本のチアン・ウェンは、1963年生まれの33歳。中国はもとより国際的にも人気、実力No1の俳優。86年『芙蓉鎮』(監督:謝晋)、87年『紅いコーリャン』(監督:張藝謀)に主演し、その圧倒的な存在感と演技力で強烈な印象を残した。その後も俳優として活躍するが、マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」に触発され、『太陽の少年』の脚本に着手。93年撮影に入るが、25万フィートものフィルムを回し「中国で最もフィルムを使う監督」と呼ばれる。94年これを処女作として完成し、ヴェネチア国際映画祭主演男優賞を獲得。“『紅いコーリャン』以来、世界を最高に震撼させた中国映画”と激賞され、俳優チアユ・ウェンは将来を期待される監督となった。

監督・脚本=チアン・ウェン(姜文)/原作=ワン・シュオ(王朔)小説「動物凶猛」/撮影=クー・チャンウェイ(顧長衛)
出演=シア・ユイ(夏雨)/ニン・チン(寧静)/1994年/中国・香港合作/2時間8分/カラー/ドルビーステレオ
提供=BMGジャパン,テレビ東京,大映,ツイン/配給=大映・東光徳間,ツイン