第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
世界の3大映画祭を制したチャン・イーモウ監督新作

INTRODUCTION

お料理で初恋を伝える少女とその想いに
教壇の声で応える青年教師とが織り成す不思議に懐かしく、
あまりにも清冽な感動を運ぶラブ・ストーリー。

お料理が伝えたその想いが、恋する2人の、そしてもっと多くの人々の切ない明日を拓いてくれた…。

 移ろいゆく四季の中、都会と村をつなぐ一本の道を通して語られる親子2代の愛の物語にベルリン映画祭は号泣した。真心とは?人間が誠実であるとは何か?を切々と、そして瑞々しい映像美で描き出す感動作です。お正月にふさわしい華やかで壮大な愛の物語が、大自然と風土に磨かれて一層厳しく、だからこそ胸に迫る涙となり、新世紀の扉を暖かく照らします。
 主演は本作デビューを契機に、アン・リー監督最新作「グリーン・デスティニー」主演を射止めた新星チャン・ツィイー。すでにELLE HONG KONGの表紙を飾るなど、「第2のコン・リー」として目覚しい躍進を遂げました。
 監督は「あの子を探して」でヴェネチア映画祭グランプリ2度目の受賞に輝き、3大映画祭を制したチャン・イーモウ。「紅いコーリャン」「菊豆」など、情念の濃い原色の映像美でセンセーショナルを巻き起こした監督が、「あの子を探して」と本作で打ち出したのはまったく新しい作家性、爽やかで光溢れる人間賛歌。既に高い評価を得てきた自らの殻を打ち破る勇気にヴェネチア、ベルリンという2大映画祭は惜しみない拍手で賛辞を贈りました。

STORY

移ろいゆく季節の中で“食”が伝え育む人間の絆。
都会からやって来た青年に少女はお料理をつくる。
言葉にできない想いをこめて。
青い小花の碗だけが恋人達の気持ちを知っている。

 華北の美しい村。都会で働く青年は、父の訃報を聞いてこの村に戻って来た。母は伝統の葬儀をすると言って周囲を困らせる。石のように頑なな母の真意とは?その様子を見ながら息子は伝説となった父母の恋物語を思い出していた……。

 都会からやってきた若い教師に恋して、その想いを伝えようとする18歳の少女。手作りの料理の数々に込めた少女の恋心は、やがて彼のもとへと届くのだが、時代の波<文革>が押し寄せ二人は離れ離れに。少女は町へと続く一本道で、来る日も来る日も愛する人を待ち続ける。

 果たして二人の恋の行方は?そして、その二人の一途な想いが、様々な人々の人生を切り拓いてくれたのだと、母があれほどこだわった葬儀の日に明らかになり……。


<早くも沸き上がる絶賛の声……忘れられない本物の感動……。>

「この映画は、乾草と花の匂いのする《聖書》である。私は実に久しぶりに、《永遠》ということについて考えた。」
作家・演出家 久世光彦さん
「この映画は、私の両親もまた、あの時代を「愛」で生き抜いたことを再認識させてくれました。」
料理研究家 ウー・ウェンさん
「(ベルリン映画祭で)筆者がいちばん感動したのは本作だ。チャン・ツィイーがつぶらな瞳でかわいらしく、すっかり魅了されてしまった。吹雪や春の訪れなど自然描写も素晴らしく、心が洗われる。」
映画評論家 河原畑 寧さん

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