夢のような至福の時間 スクリーンを見つめる全ての観客は、 このまま映画が終わらぬことを祈るであろう 映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」ことの次第 20年来の友人であり、「パリ、テキサス」、そして「エンド・オブ・バイオレンス」で見事なコラボレーションをみせてきた監督、ヴィム・・ヴェンダースとUSロック界の異端ギタリスト、ライ・クーダー。キューバ音楽に魅せられた二人は、感動の音楽フィルム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を完成させた。ライ・クーダーが敬愛するキューバ音楽界の古老たちとともに創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、世界中で100万枚以上のヒットをとばし、97年のグラミー賞を受賞した。「初めて耳にした瞬間から、素晴らしい音楽だと思った。」と語るヴェンダースは、98年ライ・クーダーと共に撮影クルーを伴ってキューバを訪れる。ヴェンダースは、ハバナのエレガントな街並み、アムステルダムでの名高いコンサート、さらにニューヨークの輝かしいカーネギーホールでの歴史的ステージも加えて、アルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に参加したキューバ・ミュージシャンたちのセクシーな音楽と彼らの人生の哀歓をフィルムに収めた。 音楽の女神に愛された奇跡のミュージシャンたち そのセクシーな音楽は世界中を虜にした!! 母の形見である黒檀のステッキについて思いを語る72歳のシンガー、イブライム・フェレール。その天才的な音楽性と同様に、現実離れした活力に溢れるコンパイ・セグンドは92歳にして「6人目の子作りに励んでいるところさ。」と笑っている。伝説的なピアニストでありながら・引退して家にピアノさえなかったというルベーン・ゴンザレス。彼女をヒロインにして映画を撮りたいとヴェンダースにいわしめるオマーラ・ポルトゥンド。音楽の女神に愛された彼の人生は、熟成されたキューバ音楽の美しいアンサンブルを生み出し、セクシーな歌声とともに、世界中を魅了していく。チェ・ゲバラ、ヘミングウェイが愛してやまないキューバ そこには、豊かな文化と色彩、忘れられたノスタルジーがあった キューバは独自の文化と風土を守ってきた。映画でも度々、登場するアバナビエハ(ハバナ旧市街)は、その美しい姿を残すため世界遺産に認定されている。「チェン・チャン」のメロディーとリズムが流れる中、ハバナの海岸とベルベットのような黄金に包まれた街並みがあらわれる。目に飛び込んでくるヴィンテージ車の鮮やかなキャンディ・カラー、ラクダ型をしたピンクのバス…。それらが一体になった時、かつてそこで、展開されていたであろう官能の世界のきらめきが残像として蘇ってくる。マンボとサルサを生んだ、タイムレスな音楽。映像と音楽が一体になった時、時を超えて、私達の目の前に、チェ・ゲバラ、ヘミングウェイが愛してやまなかったキューバが映し出される。そして、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は99年夏、ドイツ¥、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークほかで公開され、大ヒットを、記録している。その勢いは映画、音楽界だけでなく、ファッション界や観光でもキューバに注目が集まり、世界中でキューバ・ブームを巻き起こしている。監督:ヴィム・ヴェンダース/撮影:イェルク・ヴィトマー、ロビー・ミュラー、リサ・リンズラー 出演:ライ・クーダー、イブライム・フェレール、ルベーン・ゴンサレス、エリアデス・オチョア、オマーラ・ポルトゥオンド、コンパイ・セグンドほか 1999年/ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ/ビスタサイズ/ドルビー・デジタル/カラー/105分 提供:日活・バップ/配給:日活/後援:キューバ共和国大使館/協賛:renoma |
“あれほど素晴らしい体験は初めてだった。あれこそ探し求めていた音楽だ。” | ―ライ・クーダー |
“今度、君が行くときは知らせて欲しい。僕も一緒にいくから。” | ―ヴィム・ヴェンダース |