香港1962。
隣に住む男と女。
秘められた恋。
戸惑い。裏切り。復讐。

『ブエノスアイレス』から3年。
ウォン・カーウァイ監督の
新たなはじまりを告げる
最高傑作がついに誕生。

世界各地で大ヒット!
愛をテーマとした映画の中で
最も恍惚となる作品であり、
今年一番ゴージャスだ。
―New York Times/アメリカ

見事なラブ・ストーリー。
カンヌで一番美しい作品。

―Studio/フランス

傑作だ!

―Le Figaro/フランス

古風であると同時に現代的、
微妙にエロティックで、さりげなくクール。
ここまで世代や性別に関わらず
誰もが楽しめる大人の映画は、滅多にない。

―Ebening Standard/イギリス

観て美しく、演技も素晴らしい。
官能的、感動的、
そして忘れられない映画だ。

―The Mirror/イギリス

【花様年華】とは―
満開の綺麗な花のように、成熟した女性が一番輝いている時のこと。

ウォン・カーウァイの素顔がここにある。

世界中が待ち望んだウォン・カーウァイの新作は、2000年カンヌ国際映画祭に出品され、新たな方向性を示した演出によって、絶賛された注目の作品である。

これまではセンシュアルで奔放な映像感性で評価されていたカーウァイが、この作品では明確な計算のもと、むしろ内省的で、文学的ともいえる世界を構築している。何気ない台詞にこめられた深い人間洞察。大胆なスタイルの語り口。主人公ふたりに徹底して寄ったミニマムな設定で、男と女の内奥に分け入る。カーウァイが初めて素直に想いを吐露した脚本と、その演出カの素晴らしさに酔わされる。

スタイリッシュだが、映像はこれまでのように動き回ることも過剰なところもなく、むしろ静かに対象を見つめている。撮影は、カーウァイの盟友、クリストファー・ドイルとリー・ピンビンの見事なコラボレーションで、スクリーンにまごうことなき本物の感情がみなぎる。切なさ、苦悩、怒り、戸惑い、愛。匂いたつような情感が映像に溢れている。

紫煙とチャイナドレスの息を呑む美しさ。

『欲望の翼』以来、『恋する惑星』、『楽園の瑕』、『ブエノスアイレス』と4本のカーウァイ作品に出演し、カーウァイの想いの代弁者として画面から魅力を発散するトニー・レオンが、ここでは内省的な大人の男を演じ、その存在感と円熟した演技でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。

一方、『欲望の翼』、『楽園の瑕』に出演し、『ロアン・リンユイ 阮玲玉』、『ラヴソング』で情感溢れる演技を見せたマギー・チャンは、今回、節度と慎みをもちながら、沸き上がる感情に抗しきれない心の揺らぎを、しっとりみせてくれる。ほっそりとした肢体をチャイナドレスに包み、色香を漂わせるその美しさには、ため息がでるばかりである。共演は、香港映画界1960年代の名優ライ・チン、伝説的な歌手レベッカ・パン等。

戸惑いつつも、心が揺れ動いていく二人。愛はもうはじまっていた。

1962年、香港。新聞社の編集者チャウ(トニー・レオン)と、商社で秘書として働くチャン(マギー・チャン)は、アパートの隣人として出会う。家庭を持つ貞淑な男と女。やがて互いの妻と夫が不倫していることを知り、二人は次第に時間を共有するようになる。そして、この運命の皮肉ともいえる出会いにより、いつしか戸惑いつつも、強く惹かれ合っていくのだった―。


出演:トニー・レオン、マギー・チャン、ライ・チン、レベッカ・パン、スー・ピンラン 製作:ブロック2ピクチャーズ、バラディ・フィルム

製作・監督・脚本:ウォン・カーウァイ/製作総指揮:チャン・イーチェン/共同プロデューサー:ジャッキー・バン/撮影:クリストファー・ドイル、リー・ピンビン/美術:ウィリアム・チャン、マン・リンチャン、アルフレッド・ヤウ/編集・衣装:ウィリアム・チャン/音楽:マイケル・ガラッソ/オリジナルサウンドトラックCD・発売:ロックレコード
2000年/香港/1時間38分/ドルビーSR/Color/ヨーロピアンヴィスタ/日本語字幕:岡田壮平

提供:松竹・衛星劇場・レントラックジャパン・博報堂 配給:松竹
Official Site:http://www.wkw-inthemoodforlove.com

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