人口の動き
 
 見島では4〜50年まえから人口減少が著しい。そこで人口の変化とその要因について考えてみる。
 
見島の人口変化 昭和30年(1955)〜平成7年(1995)
年度 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995
人口 3,002 2,964 2,695 2,434 2,251 2,089 1,905 1,663 1,320
前回比
-38 -269 -261 -183 -162 -184 -242 -343
(※国勢調査をもとに作成)

 上記のように、見島の人口は40年間で 1,682人も減少している。5年間の減少数で見てみると、特に1990〜1995にかけての減少が著しい。この傾向が今後も続けば、間もなく見島の人口は1,000人を大きく割り込むことになるだろう。人口が数百人の島となるのだ(この数百という数字は、250人を越える自衛隊関係者も含んでいる)。
 
 
人口の自然増減・社会増減に関して
 
 国勢調査等により、見島の人口の自然増減・社会増減に踏み込んでいる。
 
1979年4月1日〜1980年3月31日
出生数43、死亡数18、自然増25。
転入数181、転出数270、社会減89。全体減64。
1985年4月1日〜1986年3月31日
出生数25、死亡数15、自然増10。
転入数303、転出数180、社会増123。全体減133。
1990年4月1日〜1991年3月31日
出生数17、死亡数16、自然増1。
転入数92、転出数175、社会減83。全体減82。
1995年4月1日〜1996年3月31日
出生数7、死亡数14、自然減7。
転入数77、転出数117、社会減40。全体減47。
 
 以上のようになる。まず問題とされるのは、43→25→17→7というように確実に出生数が減っていることである。直接的原因は若い夫婦数の減少による。それに対して、死亡数はほぼ横這いである。社会増減においては、まず転入に注目する。転入は転出より少ない場合がほとんどであるが、年によって突発的に多いときもある。例えば1985年度の転入数303である。具体的に言うと、その多くは自衛隊関係者とダム建設に伴う土木・建築工事関係者である。
 転出は、だいたい百数十を保ち毎年それだけの人間が就職・転勤・進学・結婚・その他の理由による転居で見島を離れていることになる。この流れが見島の人口減の基本にある。この流れの中心は若者であり、若者の多くが島から出て減少すれば若い夫婦も減少し、その結果として勢い自然減の要因である出生数の減少も招く。
【文・追谷信介】


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